≪タンパク質(プロテイン)とアミノ酸について≫


ヒトのカラダの約60%が水分ですが、その次に多いのがタンパク質(プロテイン)です。アミノ酸は、タンパク質が分解された状態ですので、物質的には同じものです。

 

タンパク質やアミノ酸は、筋肉や消化管、内臓、脳、髪や皮膚のコラーゲンなどの体の重要な組織を作っています。ほかに神経伝達物質や酵素などの成分ともなり、生体内の様々な生理活性を担います。

「プロテイン」はギリシャ語のプロティオス(一番大切なもの)から由来していることからも、タンパク質はカラダに重要であることがわかります。 

 


タンパク質はアミノ酸まで分解され、小腸で吸収されたあと肝臓を通過し、細胞に運ばれて再び必要なタンパク質(組織)に合成されます。すなわち、それぞれの組織は、約20種類のアミノ酸で構成されていることになり、20種類のブロックでいろいろなモノを作り上げる積み木のようなイメージです。その積み木の誘導役や接着剤が酵素であり、酵素もアミノ酸の組み合わせでできています。

骨も、カルシウムだけでなくほとんどがタンパク質(コラーゲン)です。

運動を行うと、カラダはまず体内の糖質や脂質をエネルギーとして使いますが、それらの量が少ないと自らの筋肉を分解しエネルギーに変えようとします。

 

特に高齢者は、普段のタンパク質の摂取量が少なくなることもありサルコペニア(加齢性筋減弱症)を招きます(右グラフ参照)。

 

また、病床からの回復やリハビリで機能改善中の方などは必要栄養量が増しますので、自らの筋肉量を落とさないためにも、特にタンパク質やアミノ酸の摂取が重要となります。

 


当スタジオでは、筋力低下を予防し、トレーニング効果を上げるためにアミノ酸の併用をご案内しています。


【運動とタンパク質/アミノ酸に関する論文紹介】

「廃用性筋萎縮に対して、タンパク質と運動の併用が効果的な治療戦略」(Nutrition,doi:10.1016/j.nut.2012.04.012)

 

「虚弱高齢者に朝・昼食時の15gのプロテイン追加で身体機能が改善」(Journal of the American Medical Directors Association, doi:10.1016/j.jamda.2012.07.005)

 

「サルコペニアの在宅高齢女性に対し、運動+アミノ酸投与で歩行速度、下肢筋肉量、下肢伸展筋力が増加」(Journal of the American Geriatrics Society Article first published online: 5 DEC 2011 DOI: 10.1111/j.1532-5415.2011.03776.x)

 

「ADL要介護高齢者に対して、高負荷の運動とタンパク補給を併用したグループのみが筋肉量と体重が増加」(J Nutr Health Aging. 2011 Aug;15(7):554-60.)

 

「複数の併存疾患を有する虚弱高齢者は、中等度の負荷や多彩な運動プログラムのみでは筋力と身体機能は改善しない」(Reviews in Clinical Gerontology, Available on CJO 2012 doi:10.1017/S0959259812000111)

 

「施設入所者への必須アミノ酸投与により、MNA、アルブミン、抑うつ、握力、ADL、健康関連QOL(SF-36)が改善」(Clin Nutr. 2011 Oct;30(5):571-7)

 

「慢性期脳卒中者の69%が低栄養であり、高度な低栄養ほどADL、認知・注意力は低下」(血管性認知症のリハビリテーション‐慢性期脳卒中の栄養状態と認知機能、運動機能の検討‐.脳卒中32: 634‐640, 2010)

 


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